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2007年9月24日 (月)

インプラント用の予備エンジン

 先日、新しいインプラント手術用のエンジン(ドリルを回す機械)を購入しました。これまで使用していたものがダメになったわけではないのですが、さらに2台目を買った訳は二つあります。

 ひとつは、「ライト付き」が使いたいと思った事。現在歯科のユニット(治療用のイス)に付いているタービンやエンジン(歯を削る器械)は、ほとんど「ライト付き」になっています。狭い口の中で細かい作業をする我々にとって、現在では必須のものとなっています。イスに無影灯と呼ばれる電灯はついていますが、どうしても影になる部分が出てきます。若い頃はそれでも充分見えましたが、最近ではコントラストが強い状態では非常に辛いものがあります。最近インプラント用のエンジンでも、ライトつきが登場してきました。

 もうひとつは、「予備」が必要な事。インプラント手術中にエンジンが故障してしまったら、どうしようもありません。何とかユニットの器械で続ける事もできない事はありませんが、充分な事はできません。どこが違うかというと、ひとつは注水機構。インプラント手術で骨を切削する時は、生理的食塩水で充分に冷却する必要があります。もうひとつは滅菌性能。インプラント用のエンジンは、コードの部分からすべて滅菌して使用します。さらに回転数とトルクの調整。骨を切削する場合摩擦による過熱を防がなければならないため、指定の回転数で回る必要があり、またインプラントの埋入やねじ切りを行う場合、ごく遅い回転数でかつ指定された力で動く必要があります。それにしても2台置いておくのは非常に贅沢なのですが、患者さんのためには必要です。おかげさまでつい先月、インプラント埋入数が100本を越えました。これだけ数が多くなってきたとき、やはり故障する確率は考えなければならないと思いました。

 インプラントに関しても、さまざまな新しい技術や方式がどんどん出て来ますが、今後もあまり惑わされる事なく、かつ確実な新しいものを取り入れつつ、臨床に努力して行きたいと思っています。