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2013年12月 1日 (日)

補綴学会関越支部会2013

 大変しばらくぶりの更新になってしまいました。言い訳としては今年度地元伊勢崎歯科医師会の医療管理担当の理事を拝命し、いろいろと忙しい日が続いていました。それに関しては別に書くことにして、今回は昨日行われた日本補綴歯科学会関越支部会について報告します。

 11月30日の土曜日、宇都宮の栃木県歯科医師会館で、補綴学会関越支部会の総会および学術大会がありました。この日は臨時休診です。役員会があるため11時に会場に行かなければなりませんでしたが、若干早めに鹿沼インターに到着したため、花木センターに向かいました。本日はイベントがあるためかすごい混雑、遠くの駐車場に置かされたので、走ってちょっとだけ見てきました。

 11時前に無事会場に到着。役員会は1時間でしたが形式的なものではなく、けっこう話が盛り上がって時間が足りない様な状況でした。この場で突然総会の議長を依頼されたので、やりなれない事で大変緊張しました。12時から総会で無事議事を進行した後、30分から講演が始まりました。

 最初は専門医研修会で、新潟大学の荒井良明先生による「顎関節症の患者立脚型の治療体系」。現在の治療概念である①顎関節症の原因は多因子性である。②顎関節症は癌のように進行性の病気ではなくSelf-limiting、すなわち多くの症状はいずれ寛解する。③顎関節症のほとんどは非侵襲的な保存療法で症状を改善することができる。から、不可逆的な下顎位や咬合の修正を避けた治療を選択していく必要があるということです。特に新しい概念ではないと思いますが、たいへんまとまったわかりやすい講演でした。当院の治療としては15年以上前に依田教授のプロトコールを採用してから、この様な非侵襲的なアプローチを行なっています。ある意味慎重かつ保守的な私の治療方針にも合っているのですが、巷で見かける非常にアグレッシブな治療(咬合の変更や、顎を直せば何でも治るような言い方など)を行う先生方の自信が恐ろしいと思います。

 ついで学術大会が始まり、まず特別講演。新潟大学の野村教授による「高齢者の無歯顎補綴治療-40年間の臨床から観えてきたこと-」で、ご退官間近の先生のご講演でした。総義歯の臨床に関する極めて真っ当なお話でした。これに関してもさいきんは「下顎義歯の吸着」が流行りで、カリスマおよびその弟子のような先生方が多くの講演会などを行なっています。野村先生は「吸着するというのをどう言うのかわかりませんが、私は凡人ですから義歯がその場にあって咬めれば良いのでは」という、ある意味慎ましいと言うか、誠実なおっしゃり方でした。私もそんなに自信はありませんが、なんとか「合格点」を頂ける義歯臨床を目指しています。その後は一般演題が9題あり、活発な質疑応答も行われました。

 今回の大会長は新潟の魚島教授でしたが、彼が大学の同級生でもあり、また長男も今年4月まで新大にお世話になっていたこともあり、関越支部は私にとって非常に親しみやすい場となっています。今後も役員をクビにならない限り、出来る限りの貢献をしていきたいと思っています。

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