リサは里帰り中
現在、うちのリサは里帰り中。「リサ」とはオートクレーブの名前です。当院の感染予防の中核をなすこの器械は、「クラスBオートクレーブ」といわれる優れものです。オートクレーブとは簡単に言うと圧力釜みたいなもので、密閉された圧力容器の中で加熱によって蒸気を発生させ、2~3気圧の高圧の蒸気によって細菌とその芽胞など、すべての微生物を殺滅するもので、医療機関における感染防止の基本となるものです。通常のオートクレーブはタンク内で水を沸かして空気を追い出し自然に蒸気を満たすものですが、クラスBでは真空ポンプとスチームジェネレータを内蔵し、強制排気と蒸気注入を繰り返して中身の隅々まで蒸気を浸透させるものです。これによって細い中空のパイプの中身やリネン類の内部、滅菌パックなどで包まれた被滅菌物の隅々にまで蒸気が行き届き、確実な滅菌が出来ます。
当院ではインプラントを始めたことをきっかけとして感染予防レベルをより確実に上げるために、4年ほど前にこの器械を入れました。このような性質のものなので、4000サイクルで大規模なオーバーホールを行うことが推奨されています。そのため今回、日本での取り扱いメーカーである白水貿易に里帰りとなったわけです。いま当院に鎮座して働いているのは代替品である会社のデモ品です。ちなみにもちろんタダではなく、十数万円の費用がかかり、また購入時にも通常のオートクレーブの3倍くらいの価格でありました。感染対策には非常にコストが掛かりますが、頑張って安心安全な診療のための投資をしています。
歯科医院の感染対策は、患者さんの非常に関心のあるところだと思います。これから折にふれて当院のシステム等についてご紹介していきたいと思います。