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2010年7月31日 (土)

カロナールについて説明会

 去る6月23日、水曜日の診療が終わったあと、当伊勢崎佐波歯科医師会医療管理委員会主催で、カロナールについての勉強会が行われました。もはや新聞記事になってしまったので書いてしまいますが、桐生歯科医師会の休日診療で、投与したロキソニンによるアスピリン喘息の疑いで亡くなった方がおり、訴訟になってしまう事になりました。それを受けて、今回「歯科疼痛管理におけるアセトアミノフェン」という演題で昭和薬品化工株式会社の小林義則氏に話していただくことになりました。
 昭和は、昔から歯科の痛み止めとして多く使われている「カロナール」のメーカーです。前述のアスピリン喘息とは、現在歯科のみならず一般的に使われている酸性NSAIDs、非ステロイド性抗炎症剤のことで、その作用機序から一部の人に激しい喘息を起こすことがあります。喘息というと一般的には苦しいだけで大したことないという感覚が多いと思いますが、高齢者で喘息の発作でなくなる方はけっこう多いのです。
 歯科では急性の痛みに鎮痛剤を使わなければならないことは頻繁にあります。その際、喘息の既往のある患者さんへの処方は慎重にならなければなりません。カロナール等のアセトアミノフェン製剤はそれに対し比較的安全と言われていますが、効きが悪いことが問題点です。講演ではその特性と効果的な使い方について、メーカーサイドではありますが丁寧な説明をしてもらいました。
 私たち医療管理委員会は医療安全の仕事も兼ねていますが、一昨年のインフルエンザの講演会など、タイムリーに必要な話題について研修を行っています。様々な問題は降りかかってこなければもっとも良いのですが、知識として分かっていることは非常に大切だと思います。