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2007年3月28日 (水)

私のインプラント事始め番外ーPOCに行って来ましたその1

 この間の土日(3月24・25日)に、医院を休診にして「第1回パシフィック・オッセオインテグレーション・カンファレンス(POC)」に東京へ行って来ました。現在のインプラントの源流であるスウェーデンのブローネマルクを日本に導入した小宮山先生が会長となり今年初めて行なわれた学会ですが、その目的は同氏の次の挨拶文の中に簡潔に述べられています。(「インプラント療法が、現代歯科学における有力な一選択肢であることは論を待ちません。科学的な背景を持たない方法が、安易に臨床応用された場合にはどのような結果を招くのか、多くの歯科医師は認識していると思われます。にもかかわらず、現実にはインプラント療法により所期の回復が得られないといった問題点が増えつつあり、一般の患者あるいは一部の歯科医師からインプラント療法が再び唾棄すべきものと捉えられかねません。このような状況になる前に、一人でも多くの患者が、適切な治療により快適な生活を享受できるように、歯科医師が正しい知識、適切な医術、そして真摯な心構えを学ぶことが求められています。(後略)」)

 定員700人の会場はほぼ満席で、まずブローネマルク先生のブラジルからの衛星中継による講演が行われました。総論ではインプラントを用いて快適な口腔内の状態がより多くの患者さんに享受されることを願っている事が、ひしひしと伝わってきました。残念ながらインプラントはまだ経済的な問題で浸透する事が阻害されていますが、その解決が課題であるようです。現在の仕事の紹介では、ほとんどが顎顔面補綴および四肢や手指などの機能回復の症例でした。ご年齢を感じさせない精力的な活動に感銘を受けました。

 その後に少し小宮山先生によってブローネマルクとその日本への紹介の歴史が話されましたが、前に書いた様に私が大学在学中がまさにその時期にあたり、当時の雰囲気も納得できるものでした。またそれを考えると当時医科歯科大学のインプラントグループで行なわれていた一連の業績は、極めて先進的であったこと、さらにそれがあまり日の目を見ないことは(もちろん私は全く当事者ではないのですが、何人かの友人がそこにいたことから)あらためて残念な事だと思いました。

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