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2007年3月31日 (土)

私のインプラント事始め番外ーPOCに行って来ましたその2

 他の3人のスピーカーは、フランスのF.Renouardにより「低侵襲のインプラント治療」として、フラップレス(歯肉の切開、剥離を行なわない術式)、グラフトレス(骨移植を行なわない)、ショートインプラント(短いインプラント)について講演されました。近年大規模な骨移植等を伴った再建がもてはやされてきた傾向がありますが、患者に対する侵襲の低減ということに重点を置いたアプローチについて述べられたのですが、特に短いインプラントの使用についてはこれまでも問題ないという意見はあったものの、多くの症例を示した説得力のあるものでした。
 次いでスイスのC.Haemmerleにより「上部構造と材料選択」および「抜歯窩の治癒とインプラント」として、治療計画および前提となる診断の重要性とその方法が、整然と述べられました。特にスライドの症例は審美性に優れたものばかりで、その臨床のアプローチの正しさを裏付けるものでした。
 さらにスウェーデンの歯周病学者T.Berglundhにより、「インプラントの生物学的トラブル―頻度と診断」および「リスク、影響因子と治療」として、インプラントの失敗に関わる特に歯周病学的な問題点が述べられました。高い成功率を強調するだけでなく、特に患者単位での失敗率を正しく見るべきであること、またインプラント周囲炎に対する対処方法については、臨床的にも非常に役立つものでした。
 

 最後に3氏と実行委員の先生方によるシンポジウムが3時間行なわれ終了となりました。実行委員による最後の挨拶では、今回を第1回としてこれから大学の研究者を中心とした学会に発展させていきたいとのことでした。非常に充実した2日間でしたが、1日目10~20時、2日目9:30~16:30という長丁場でさすがに尻と背中が痛くなりました。

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