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2007年6月 3日 (日)

ドライマウスのひと

 以前からかかりつけのある患者さんが定期健診にいらっしゃいました。ざっと口の中を眺めると、重症の歯周病ではないだが、何となく口の中が美しくない。明らかな腫れや歯肉の変色はないのだが、何となく炎症がある感じがし、触るとイタイといいます。
 こんな感じの時、「口の中が乾きますか」というと「Yes」である場合が多いようです。最近でこそ唾液の口腔内の状態に対する影響がクローズアップされていますが、以前からブラッシングや食事指導をしても何となくすっきりしない人、頑張っても歯が枯れたようにどんどん虫歯になってしまう人、いろんな治療の効果が上がりにくい人、などあらためてドライマウスという視点から見ると納得できる場合が多いように思います。
 何年か前に鶴見大学の齋藤一郎先生の講演を聴き、それを機会にドライマウス研究会に一応入ったのですが、勉強してあらためてこの視点を得ると、お恥ずかしい事ですが患者さん全体の見方が変わったような気がします。高齢で唾液が出なくなってくるのは仕方ないことだと思っている人も多いようですが、年齢の要素だけによる唾液の減少はごく僅かだそうです。唾液腺等の器質的な疾患があればもちろんですが、全身的な病気や精神的な病気とそれに対する投薬によって、ドライマウスになっている事が非常に多いといいます。昨日の患者さんとも話したのですが、お医者さんによってはどんどん処方が増える傾向があるようで、その方は「そろそろ薬から卒業したい」とおっしゃっていました。私の立場から下手に意見を言うことはできませんが、どう見ても重なって投薬されているように見える場合もあります。複数の医院にかかっていても、投薬が相互に調整されていないように見える場合もあります。薬剤師さんなどの役割をここで大きくすることはできないものでしょうか。

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