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2008年10月24日 (金)

9、10月の研修など その1

 ずいぶんご無沙汰してしまいました。夏から秋に変わる時期、夏バテの身体で本業の忙しさに加え、2回の泊まりの研修、オーケストラの演奏会、畑の模様替えといろいろ重なる大変な時期で、なかなかブログを書く余裕もありませんでした。

 さて、9月14-15の連休は東京医科歯科大学同窓会の臨床セミナー、「Ultimate Endodontics 本には書かなかった私のテクニック」に行ってきました。同窓の歯内療法の教室出身で現在東京で「歯内療法専門医」として開業されている澤田、吉川両先生による講演です。歯内療法とはいわゆる「歯の神経」の治療です。虫歯が進んで神経を取る、あるいはそれがうまくなおらなくて膿がたまった歯を治す、治療です。澤田先生の講演は4年位前にも一度受講し、大変勉強になりました。

 歯内療法は私達にとって本当に日常茶飯の治療ですが、私たち開業医のレベルでは予後が必ずしも良好とは言いがたい状態です。また多くの場合何十年も前と同じあるいはそれ以前のレベルの診療がされている場合が多いのが実態のようです。しかしながら先端のレベルではこの10年くらいでパラダイムシフトとも言われる変革があった分野です。それを実際に体現している専門医の先生の臨床を学ぼうという目的の講演です。
 細かいことはいろいろありましたが、今回最も強調されまた私も感じたことは、とにかく細菌感染性の物質を根管(歯の神経が入っていた、歯根の中の空洞)や根尖(歯根の先)から除去することが治療の目的であるということを、当然のことであるにもかかわらず強力に再認識すべきだということです。そしてこれを達成するために、歯科用顕微鏡によるエンドやマイクロサージェリーがあるということです。ですからそれ以前に、まずラバーダムという基本的な手技が必要だということがあらためて強調されました。

 私たち開業医の実際の臨床で、学生の時に習ったことで何が行なわれていないといったらラバーダムが一番に上げられると思います。忙しい臨床の中でとっても面倒くさいことですが、とにかくまずラバーダムをルーティンにすることから始めようと決心した次第です。これを十分に診療に定着させてから、顕微鏡を取り入れようと思っています。

 というわけでこのセミナーの後から、まずはこれまで不十分だったらバーダムの道具をそろえ、ボチボチ歯を選んでラバーダムを始めています。しばらくぶりにラバーを使ってみると、治療に「集中」できることが大変大きなメリットであると感じました。だんだんこの実施率を100パーセントに近づけて行きたいと思っています。

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