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2008年5月 4日 (日)

総義歯のつくりかた1

 さて、前記のように難しい事をやっている総義歯ですが、どのように作っていくのでしょう。というか、どのように作っていったらうまくいくのでしょうか。作った入れ歯が合わなくて、困っている患者さんがたくさんいるという現実を踏まえての話です。

 これを考える上でまずひとつ。私たちの業界でよく言われることですが、総義歯に限らずその道の「名人」といわれる先生がいらっしゃいます。またよく「教科書どおりにやったのではダメだ、臨床は全然違う」という先生もいます。私自身で名人の腕を見た事があるわけではないし、おそらく「黙って座ればピタリとあたる」ような神秘的に見える技を持つ先生もいらっしゃるのでしょう。しかし私たちが行なっているのは「医療」です。ある程度勉強して教科書、マニュアルに沿って施術すればソコソコ合格点の結果が得られなければ「医療」として社会的にあまり意味を持たないと思います。

 しかしまず、果たして多くの先生方がまず「教科書どおり」のことをやっているのでしょうか。義歯は、特に細かい手の動きとか眼の良さ等の精密な事、器用な事が要求されるわけではなく、口の中の解剖学や咬合や材料などの知識が備わっている事が大事なのです。
 その上でこれに矛盾するような話ですが、医療には「アート」の部分が欠かせません。義歯の型を取ったり歯を並べたり歯肉の形を作るときに、何となく正しい、おかしいを判断できる眼がなくてはいけない部分があります。これらの一見矛盾する事は、総義歯に限らず歯科医療の特に「補綴」の部分で要求されると思います。

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