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2009年9月30日 (水)

当院のインプラント治療の現状 その2

 続いて、手術法などについて。

○埋入手術にあたって、1回法が31回、2回法が62回、1回法と2回法の混合が4回でした。近年の傾向としてはインプラント表面性状の改良等により骨との結合がしやすくなったため、1回法で行うのが主流になってきているようですが、当院の傾向としてはむしろ2回法が増えています。というのもインプラント周囲の歯肉の形をきれいにするために、2次手術時に修正する場合が多いからです。

○オールオン4をはじめとする即時荷重も数回行いましたが、主流にはしていません。

○フラップレス(粘膜を開かない手術法)は現在まで行っておらず、また基本的には採用する予定はありません。手術の安全性を確保するためです。

○骨増生手術は、GBRが13回、これには主に切削時に集めた自家骨とβTCPなど人工材料の混合物を同時に用いています。また下顎枝から採取したブロック骨の使用が2回あります。

○上顎洞関係の手術は歯槽頂からアプローチするいわゆるソケットリフトが10回、側方からのサイナスリフトが3回です。

○GBRのメンブレンは主にゴアテックス(非吸収性)を用い、2例ほどバイオメンド(吸収性)を用いています。人工骨材料は主に国産のオスフェリオン(βTCP)、セラタイト(βTCP+アパタイト)、アパセラムAX(多孔質アパタイト)を用いています。

○術前のCT撮影は、必要に応じて行っていますが、半数以上の症例に及んでいます。これまでは市民病院に依頼して医科用のヘリカルCTを撮影してもらい、データを分析していましたが、年内に院内に歯科用コーンビームCT撮影装置を入れる予定です。

○1度の手術で埋入する本数は最大4本程度、またできるだけ片側にとどまる様にしています。ただし、オールオン4など必要な場合はその限りではありません。

2009年9月24日 (木)

当院のインプラント治療の現状 その1

 遅ればせながらインプラント治療を始めてから5年弱、インプラントの埋入本数そろそろ200本の達しようとしています。そこでこの節目に当たり、当院のインプラント治療について、これまでの実績のご報告と現在の基本方針についてまとめたいと思います。

○インプラント本数198本に対し、2次手術を除いたオペの回数が103回。ただし骨増生のみの手術が5回で、したがって1回のオペでの平均埋入本数は約2本でした。

○上顎が103本、下顎が95本で、ほぼ上下顎同じ埋入数でした。

○使用したインプラントは、ノーベルリプレイス・テーパードが124本、ストレートが69本、スピーディが5本でした。最初にテーパードを導入し、その後下顎にはストレートを用いるようになり、最近スピーディーも使用し始めたという状況です。

○長期の予後はまだ語れる期間ではないですが、これまで埋入したもののインテグレーション、すなわち骨と結合せず、除去したものが4本ありました。

○その原因。2本は安静にすべき期間中に対合歯と咬みあってしまったためにインテグレーションが阻害されました。また2本は骨移植に関係するものでした。うち1本は既存の骨の上に移植材を置いた部位に埋入しましたが、深度が浅くて骨に固定できていませんでした。これら3本は再度埋入しなおし、きちんと結合しました。残りの1本はソケットリフトで骨を作った部位に埋入しましたが、結合せず除去し、使用しませんでした。

2009年9月15日 (火)

夏休み2009

 今年もほぼお盆に重ねて5日間の医院の夏休みでした。大学へ行っている子供の都合などではじめの2日間は家におり、畑仕事や盆迎え。後半3日間に旅行に行ってきました。
 車で信州伊那谷方面へ、高速は順調で松川インターで降りました。そこから山を越えて大鹿村へ、結構細い谷沿いの道をかなり走った後、谷に沿ってある大鹿村の中央構造線博物館に到着しました。Dsc_0001中央構造線と糸魚川静岡構造線、フォッサマグナを混同していた私でしたが、事前のHPによる勉強と学芸員の方の熱心な説明で、何となく概要が理解できました。久しぶりに隠れ地学好きの興味がむくむくと湧きあがってきました。となりの「ろくべん館」も面白かったです。
 昼食をとってからまた山を越えて中川村、アンフォルメル美術館に向かいました。ここも極めて静かな所で、お客さんは私たちのみ、冷房が故障していてむっとする展示室で、ゆっくりと解説のビデオを見てきました。館の管理のおばさんが暑かったお詫びにと冷たいお茶を出してくれ、涼しいベランダでしばしお話をしました。この館の成り立ちや今の状況など興味あるお話を聞くことができDsc_0006ました。
 伊那谷に出て下の道を駒ヶ根に向かいました。駒ヶ根にはやたらソースカツ丼の看板が。ソースカツ丼を名物とするところはとっても多い、身近な所でも群馬の桐生や福井市があります。でもここ駒ヶ根は店の看板の密度が非常に高い気がしました。駒ヶ根高原の光前寺にお参りに。信州第二の規模のお寺ということで、とても立派なものでした。となりにある駒ヶ根高原美 術館は、あまり期待していなかったのですがまとまった展示で、大変よかったです。また企画展の城康夫展-現代美術に表現された雪・月・花 も知らない作家でしたが、新鮮で感動しました。この日は駒ヶ根高原の早太郎温泉、西山荘に泊まりました。家族でやっている宿で、とても感じよく、また超充実の夕食でした。明日は千畳敷カールに行く予定、例年少し遅れるとロープウェー2~3Dsc_0035時間待ちということで、朝6時にタクシーを頼みました。夜になり強い雨が降り続きました。

 

 次ぐ朝お弁当をもらい準備を終えてロビーに行くと、なんとロープウェー駅までの道が昨夜の雨量で通行止めということでした。土木事務所の方が下から上まで点検し、報告して初めて通行可となるため、何時になるかはわからないという事で、出鼻をくじかれてしまいました。頼んでいたタクシーの運転手さんが様子を見に行ってくれ、しばらく待っていると急いで迎えに来てくれました。ほぼ2~3番目の早さでロープウェー駅に到着することができ、天上の楽園千畳敷カールへと到着することができました。千畳敷駅では場合によっては帰りは2時間以上の待ち時間、と脅していたので、遊歩道を一周して下りました。降りた駒ヶ根高原自体も、またゆっくりと訪れたい所です。

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市内のシルクミュージアムを見た後、伊那まで下の道を行きました。ソースカツ丼と伊那名物の「ローメン」の両方が食べられる店を見つけながら行き、幸いなことに途中の宮田村でそのような店を発見して昼食をとりました。伊那から高速で松本へ。松本ではまず日本浮世絵博物館、松本民芸館、そして大名町や仲町あたりを散策しました。お盆で休みの店が多かったのは残念で、また暑かった。来年はクラフトフェアの頃に来たいと思います。