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2009年10月20日 (火)

木曽御嶽山

 先の体育の日関連の連休1日目(10月11日)、木曽御嶽に行ってきました。今はもう故人ですが母方の祖父が熱心な御嶽山の信者で、小さい時から何度か連れて行ってもらいました。その縁でここ何年か子供の受験にあたっていたので、合格お願いとお礼参りに何年か続けて訪れています。

Dsc_0072 御嶽山には信州側からは王滝口と黒沢口の2つの上り口があり、祖父のいた講では王滝口から登っていたのですが、今回は紅葉狩りもかねて黒沢口から入ってみました。御嶽山ロープウェーを使って7合目まで行き、そこから紅葉の名所である8合目女人堂まで登る予定で行きました。

 朝5時くらいうちに家を出て、高速と権平トンネル越えでロープウェー駅に着いたのが9時過ぎ、駐車場は一通りいっぱいでしたが、順調に上までいけました。8合目までの登りは主に樹林帯で、結構きつい道でした。先週通過した台風18号のせいで、残念ながら紅葉はほとんど落ちてしまっていましたが、それでも雄大な景色は一見の価値がありました。もう一投足で頂上という感じでしたが、今回は我慢して下山。またロープウェーの駅からは「幻の滝」が良く見えました。

 駅から黒沢口の車道を下りましたが、慣れている王滝口とはずいぶん違う雰囲気でした。木曽の豊かな森を代表する「油木美林」に囲まれしっとりとした部分が多く、また霊神碑の数もずいぶん集中しているため、全体的に暗く感じました。そこから車で急いで王滝口に回り、里宮にお参り。遅い昼食はそばや「さくら」。頑張って八海山まで行ってお参りし、戻りました。

 両方の上り口とも、麓から里宮、八海山、三笠山、など同じ名前の社があり、沿道に霊神碑が並んでいます。それはそれぞれ全国の「講」あるいは信者家族ゆかりの霊神碑であるわけです。したがって山に参る時はゆかりの登山道から、霊神碑に参りながら登るわけで、決まった登り口からいつも登ることになります。私はもちろんそんなに熱心な信者ではないのですが、やはり馴染みの王滝口に行かないと後ろめたい感じがして、ぐるっと回りました。また王滝村の財政が非常に厳しい状態にあるということから、少しでもお金を落とそうという考えもあります。

 帰りはさすがに軽井沢付近から断続的に渋滞しましたが、何とか8時過ぎには家に着きました。

2009年10月 8日 (木)

オールオン4

 昨日、いわゆる「オール・オン4」もどき、を実施しました。「オール・オン4」とは無歯顎のインプラントによる補綴方法の一種で、4本(必要によっては5~6本)のインプラント上に全顎のインプラントブリッジを装着するもので、かつ手術当日(あるいは翌日)にプロビジョナルを入れてしまい、即時荷重を行う方法です。4本のインプラントは前歯部2本、臼歯部は下顎管という骨の中の太い神経を避けるために、神経の出口であるオトガイ孔より前に、かつできるだけ臼歯部に義歯を伸ばせるように後ろに傾斜させて、埋入します。
 今回は臼歯部にも十分な骨の高さがあり、かつ骨質も良好だったため、臼歯部のインプラントはオトガイ孔よりも後ろに埋めましたが、4本のインプラントによって作ってあったプロビジョナル(仮義歯)を装着しました。
 最近では「ノーベルガイド」等、CT画像を基にしたコンピュータシュミレーションによって精密なサージカルガイドにより、手術の時に骨に穴を開けるドリルの方向と長さを正確に規定し、ぴったりと予定した位置に埋入する方法もあります。これによればフラップレスといって粘膜に切開を入れなくてもインプラントの埋入が可能な場合もあります。
 しかしながら当院ではまだそれには対応しておらず、また安全のためにも切開してきちんと骨を露出し、方向や長さを骨の形と比べながらドリリングします。今回もCTを撮って計画はしましたが、開けてみると非常に不正な形の骨が残り、また前歯部は非常に硬く削るのに難儀な骨の密度でした。このような状態をフラップを開けないで手術するのは、逆によほどの経験が無ければ不可能だと思います。
 インプラントを埋入、アバットメントという義歯との結合部をインプラントにねじ止めし、歯肉を縫合した後に、あらかじめ作っておいた義歯をレジンで固定します。しかしこのような状態の骨だったので、もともと計画していた位置とかなりずれており、結構苦労して何とか定位置、すなわち上顎の義歯ときちんと咬む位置に固定することができました。ここまで手術開始から3時間、一応咬める状態で患者さんを帰すことができました。我ながら上手にできたと自己満足。
 今日は手術後の洗浄に来てもらいましたが、思いのほか腫れも少なく、義歯の咬合調整をしてかっちりと咬めるようにしました。これで数ヶ月使っていただき、きちんとした義歯を作ります。

2009年10月 4日 (日)

インプラント審美修復講習会

 今日10月4日は品川のノーベルバイオケア研修室にて、小濱忠一先生の講演を聴きに行ってきました。演題は「インプラント修復-審美性を損なってしまったケースから学ぶその原因と対応」という非常に具体的なもので、内容もまさにこのとおり、実践的かつアドバンスなものでした。

 現在ではインプラントはただ骨にくっついて機能すればよい、というものではなく、特に前歯部においては「美しく」できてかつそれが長持ちしなければ成功とはいえないものとなっています。そして一時代、というかほんの5年前に比べても、そのための技術、ノウハウや材料、製品等がかなり確立されてきたと思います。しかしながら患者さんとかつわれわれ術者双方が十分に満足できる仕上がりを得ることは、まだまだ簡単なことではありません。天然歯を使った修復でもそうですが、インプラントにはさらに特有の問題点が多々あります。

 今回の講演では、というか最近分かって来てよく言われることとしては、硬組織(骨)よりもより軟組織(歯肉)の役割が大きいということです。審美的に問題になることといえばまずインプラント周囲の歯肉の退縮(下がってしまうこと)や形態の不良ですが、しっかりとした厚い歯肉が存在することが非常に重要ということです。そのために、ソフトティシューマネジメント、すなわち歯肉や結合組織の移植、手術時の弁の形成とその戻し方などが大切になります。
 また特に複数のインプラントを並列した場合、その間の歯冠乳頭を作ることはなかなか難しいのですが、アバットメントの形態等のきめ細かな工夫の積み重ねによって確保することができるということです。

 もちろんただこれだけではなく、非常に盛りだくさんの、実戦的な御講演でしたが、私にとっては小濱先生の講演は何と言っても「眼の保養」というか、これだけ美しい仕上がりができるのだ、という基準の確認という意味が非常に大きいといえます。卒後大学に残った時に、大山教授の臨床や技工物を見てその美しさに感動したように、補綴をやるものにとってはできの良いものを見ることが非常に大切だと思います。

2009年10月 3日 (土)

群馬県歯科医学会 宮崎真至教授講演会

 10月1日(木)、群馬県歯科医学会の公開講座で、日大歯学部の保存の教授、宮崎先生の講演会がありました。「最新の接着技術とナノフィラーコンポジットレジンを用いた審美修復」という演題で、3Mのバックアップによるものでした。まず残念だったのは、行ってみると参加者が非常に少なかったことです。学会の地区の幹事を拝命しているため歯科医師会の支部の例会で私も宣伝したのですが、伊勢崎地区からの参加者は私だけでした。
 宮崎先生は最近「旬の」講演者の一人といえると思います。今年の補綴学会でも審美に関してのシンポジウムで保存修復の立場からお話をされていました。「立て板に水」というか豊富な知識と臨床に裏づけされた技術のお話とが、雑談を織り交ぜながらどんどんと出てきて、なかなか着いて行くのが大変ではありましたが、ぜんぜん眠くないエキサイティングな2時間でありました。接着に関する基礎的な話も、またビデオを多用した実際の術式の部分も、まさに明日からの臨床に非常に役立つものでした。
 近年のコンポジットレジンと接着システムの進歩によって、かなりの程度までの歯牙の修復は口腔内で直接法で、しかも強く美しくできるようになっています。しかしながら時間が無い、時間に見合ったペイがなされない、という理由でインレーなどの間接法、また金属による修復になってしまうことが少なくないと思います。例によって保険の採算性の話になってしまうのですが、そのために保険適用になっていない材料で私費にて行うレジン充填処置も流行ってきているようです。患者さんの立場からも、われわれの立場からも、不満足ではあるものの保険制度は基本的に必要なものだと思います。そしてその維持のためには現在程度の低価格に押さえられていることもまた理解できます。やはりレジン充填のような基本的な処置においても、保険と自費の2本立てで行くことは仕方ないのかとも思いますが、自分はおそらく自費では行わないでしょうし、これまで保険で治療している多くの患者さんの理解は難しいのではと思います。それでも今回見せてもらったような技術はぜひ身につけたいもので、精進したいと思います。

2009年10月 1日 (木)

院内ミーティング

 昨日(9月30日)は診療後に院内ミーティングを行いました。約2年ほど前から、月に1回月末に近い日に、診療を定時の1時間前に終え、ミーティングを行っています。内容はその月の報告、つまり私の聴いた講演や衛生士に参加してもらった講演について報告、院内の問題点についての話し合い、先の予定の話し合いなどを行います。残り時間で、院内感染防止のテキストなどの輪読を行います。昨日は診療時間が延びてしまい、30分弱の時間しかありませんでしたが、以下のような内容でした。

 9月の報告 

 9月6日(日)  モリタ・ハイジニス・フォーラム2009(東京 秋葉原、衛生士3人参加) 

 9月9日(水)  伊勢崎佐波歯科医師会学術研修セミナー 「精神疾患を学ぶ  パニック障害や身体表現性障害の患者さんの対応は? ~歯科治療で注意すべきこと~」  医療法人高柳会 赤城病院   精神科医師 中島政美先生

 9月12日(土)  平成21年度 第2回歯科医療安全研修会 「歯科診療所における医療安全管理体制の構築について」  横浜市 みほ歯科医院院長  中島 丘先生              

 10月、11月、年末年始の予定について話し合い

 (当院のスタッフはおとなしい(?)ので)なかなか積極的な発言や提案などのを引き出すのは難しいのですが、少しずつでも充実させていただきたいと思っています。また医療安全などスタッフと知識を共有しなければならないことが日々増えていきます。きちんと時間をとってのミーティングは必要不可欠であるとおもいます。